「好きなことを一生懸命に」ピザハウスココペリを経営するご夫妻

当麻オススメの人

「あるがまま自由に生きる」を北の大地で実現しているご夫婦から、「これからどう生きるか」を学んだ。

日が暮れ、黄金に輝いていた田畑が薄闇へと沈んでいく中、ピザハウス「ココペリ」へと向かう。

ピザハウス ココペリ

白樺に囲まれた道をいき、小高い丘の上にたたずんでいたのは、可愛らしいログハウス。窓からもれる柔らかで暖かい白熱灯の光が、あたりの木の葉の輪郭を示してくれていた。

ピザハウス ココペリ

どこか現実離れしたその佇まいは何かの物語に出てきそう。

ピザハウス ココペリ

遅い時間にもかかわらず、手描きの文字が優しく歓迎してくれている気がして、なんだかワクワク。

そもそもなぜ当麻町へ?

「役場の人が案内してくれて、大雪山がすごく綺麗だったんですよ。もし来年来るんだったら住むところはなんとかしますよと言ってくれたので。僕ら山が好きだから。移住して4年たってこのお店は始まったんだけど、予定していたわけではなくて、まぁいろんな出会いのおかげだよね」

当麻町でお店を開くことになったのは巡り合わせの結果であると教えてくれたのは、ご主人の樋田 守昭さん。

見る前に飛べ

ピザハウス ココペリ

「そもそもこの人ちゃんと就職したことないんです、一度も」と、守昭さんの横でテキパキと無駄のない動きでピザの具材を生地に乗せていく奥さまの久美子さん。

出会った時も、結婚した時も子供が出来た時も無職で、友達には結婚を反対されたようだ。

「あんまり考えないで来ちゃいましたねぇ。いろいろ考え過ぎたら行動できないじゃないですか。私も知らないことしてみたいなって、付いて来ちゃいましたけどね」(久美子さん)

穏やかな口調ながらも、話の節々で久美子さんがもつ’芯の強さ’が垣間見える。

「ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんの「見る前に飛べ」という作品知っていますか?まさに僕の中では思ったらいくというのが大事かなって思っています」(守昭さん)

思ったらいろいろ考える前にすぐ行動する。最近よく聞く言葉だが、実際に実践をしている方々の言葉はやはり説得力が違う。

「好きなことを一生懸命やる。それは別に若いからとか年だからとかじゃなくて。ここも好きだからこそやっているしね」 (守昭さん)

好きに生きるということは、今の世の中では難しいように思われているが、なんとも身軽に好きなことをしていいのだと、背中を押された気持ちになった。

「ただ人がやっていないことをやってみたいというのはありましたよね。人と同じようなこととか、先が見えちゃう生き方はしたくないなって。それはつまらないなってのはあったかもしれないね」(守昭さん)

ピザハウス ココペリ

いつも話していることだよねと阿吽の呼吸でピザ作りを進めるおふたりは、価値観もピッタリ。

なにもないことの価値

特に当麻町のどこに惚れ込んだのか?

ピザハウス ココペリ

「北海道を知りつくしたつもりでいた僕の中で、当麻町は一番知らない、遠い存在だった。北の国からの富良野とか美瑛とか、比べたら全く知名度がないわけ。今みたいに発信もしてないしね。
(当麻町に)来て、ここの人たちと喋って、ここはここで自分たちの暮らしをやっている場所だった。だから子供3人連れての北海道生活のスタートには何にもないほうが真っ白いキャンバスに、自分たちで描けるなと思ったんだ。それは『出会い』。たまたま最後に出会ったのがここ当麻町だった」(守昭さん)

「私も東京の池袋あたりで生活していました。やっぱり雑踏の中にいると、自分を見失いがちというか。何にもないところに行きたくなるんですよね。そうして自分を取り戻していくために、旅をよくしていました」(久美子さん)

たくさんの旅へ出かけた守昭さんと久美子さん。最終的にここ当麻町選んだ理由を久美子さんはさらに続けて話す。

「富良野とか美瑛とか小樽とか有名な場所って、特有のイメージがあるでしょう?そのイメージに自分たちが染まっちゃうのはいやだったんです。自分たちでしか出せない色を出したかった。好きにやりたかったし、邪魔されたくなかった。知らないところ、知らない場所に、自分の経験したことないことをしたかったっていう気持ちで来たですよね。そうしていったら雑踏の中にいても流されない自分ていうのができる気がするんです」(久美子さん)

お互いふらふらしている同士が、北海道で出会ったよねと微笑みながら久美子さん。

リアルでもネットでも情報があふれている中で、自分の足元がぐらついて、自分が何者なのか分からなくなる感覚、わかります。いつの時代も若者の悩みは一緒なのかもしれない。

「出会ってやりとりしているうちに価値観があったかたら、ふたりで何かできそうかなと思ったんだよね」(守昭さん)

「結婚した時はお店をやろうとは考えていなくて、なんでも行き当たりばったり。長女が出来た時は、山小屋で住み込みで働いていて家もなかったよね 笑」(久美子さん)

同じ年齢で、同じ時代を生きてきたふたり。「(自分たちは)決して特別ではない、どこにでもいる若者だった」と口をそろえる。自分は特別ではない、と潔く認めるその姿勢がかっこいい。

外側に行きたい

「ただ、このままでいいのかな?とか自分の世界の外側にあるものにいつも惹かれていたというか…」(守昭さん)

未知の世界を求める気持ちがとにかく強いおふたり。

久美子さんは働きながらも休日を使って知らない土地に出かけ、旦那さんは高校生の頃からバイクの免許をとって出かけ、さらには、大学三年生で休学して日本一周までしていた。

そんなふたりは、旅やほかの世界のことだけではなく、「日常」も大切に生きている。

「なぜだろう?を、突き詰めていった先にこの人との出会いがあったのよね。忘れないほうがいい。おかしいとか嫌だなとかそういう感情をごまかさないほうがいいと思う」(久美子さん)

「夜中眠れないで考えたことを朝にいってきたりするよね。仕込みやってるからちょっと待ってよってなるよね (笑)」(守昭さん)

苦笑をしながらも久美子さんの考えをきちんと受け止め、投げ返す。毎日ふたりで朝ごはんを食べながら日常の中の違和感を’仕方がない’とか’しょうがない’で終わらずにお互いに話し合うのだとか。夫婦円満そして人間関係をきちんと組み立てるヒントがここにある。

「移住」ではなく「移動」?

ピザハウス ココペリ

「移住というよりも、僕の中では「移動」してきただけなんだよね。たまたまここは長いだけで。ここで人生を終えるわけではない。終わるかもしれないし、終えるかもしれないけど。家を買うとか引っ越すとかをあまりに重大なことにしちゃうと、そこには自由がなくなってしまうでしょ。やめること、離れることも権利として持っていながら、行かないと本当に面白いことはできないよね。(移住者と呼ばれることはあっても)僕ら自身は「移住者」だとはあんまり思ってなくて、ただここに普通に住んでいるって思ってる」(守昭さん)

「夢」を描く

チャレンジャーなおふたり、今後ココペリや、それ以外でも、まだまだやりたいことがあるのでは?

「いっぱいありますね。夢を描くのは自由じゃないですか。いっくら描いてもいいんですよ。その中で、ふるいにかけてやっぱりこれだなと思ったことを一生懸命やればいいと思うんですよ。だから、一生かけてまだまだ変化するかもしれないし、夢はいっぱいあるよね」(久美子さん)

「まあ’進化’だよね。ほんとは全国各地を移動販売とかもしたいなっていってたりもするんだけど。描くのは自由だからね。空想、妄想癖があるんですよ笑」(守昭さん)

ピザハウス ココペリ

少女のように夢を語る久美子さんと、どっしりと受け止める守昭さん。本当に相性の良い夫婦。

「二人とも飽きっぽくって、本来ならばこんなに長期間同じ場所にいるのは、ありえないぐらいなんだけど。半年ここでお店をやって、半年は移動販売っていうのもおもしろいかなと思っている。ここを手放すとかではなくここをホームグラウンドとしていろんなことがやりたいなぁと思っています。ここの場所で今はまだ具体的にはデザインできてはいないけれど「次」を考えています」(守昭さん)

おふたりはこれからどのような夢を描いていくのか。

お店が素敵なのはもちろん、自分の好きなものやりたいことを自由に更新し続けていることがおふたりの魅力であり、訪れる人を惹きつけ続ける理由にちがいない。

ピザハウス ココペリ

北海道当麻町ピザハウスココペリ、人生を肥やすためにも一度訪れてみてほしい。自分らしく生きるヒントが見つかるかもしれないから。

(ライター:神戸大学4年 平田萌音)

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